プロデューサーの稲田です。
3月も半ば。都内某所。
クランクインが間近に迫る中、『吉祥寺ルーザーズ』のメインキャストたちがシェアハウスの撮影場所に集まりました。
そう、例の問題のリハーサルを行うためです。
すでにキャストの皆さんが口々に発言されているので、ご存知の方も多いかと思いますが、本作はほぼほぼ家の中しか出てこない『ワンシチュエーション』の会話劇です。
特に、第1話は冒頭からなんと約26ページ!
途中で一度メインタイトルを挟むものの一連のシーンがずーっと続きます。
通常、1時間ドラマ全体の台本のページ数が60〜70ページ前後なので、その異常な長さを分かって頂けるかと思います。
そんな延々と続く舞台のようなセリフの応酬に、主演の増田貴久さん筆頭にキャストの皆さんから「撮影前にリハーサルをやりたい!」と希望が殺到し、それぞれ忙しいスケジュールを調整して集まることになった訳です。
その日はポスター撮影からの流れもあって、午後遅めからのスタートに。
キャストの皆さんはほぼ初対面の方ばかり。さすがに緊張感が漂います…。
リハーサルは、順を追ってトップシーンから。元々、初対面の住人たちがお互いを探り合う場面。まるで現実と虚構が入り混じったようでした。
最初に佐藤監督から指示が出て、それぞれ距離をおいた形で6人の配置が決まりました。会話するにはかなり遠い位置関係…。
「何はともあれ一度やってみましょう」…ということで一連のセリフの応酬が始まりました!
で、僕はそこで気づいたのです。
キャスト全員がほぼ台本を見ていないことに!
まだまだリハーサルの段階なのに、みんなセリフが頭に入ってる!しかも膨大な量のセリフが…!
この作品に望むキャスト陣の意気込みに触れた瞬間でした。(これ、ホントにホントの話です!)
各々、自分の芝居を確かめつつ、相手の動きやセリフの強弱に合わせて、微調整を繰り返す…。
監督もしつこく何度も同じシーンを色んなパターンで試します。
こうして全員のお芝居が少しずつ固まっていきました。ドラマを作る過程の中でも最も美しく感動的だと思う時間です。
特に、田中みな実さんはリハーサルしたシーンの中にマシンガンのようにセリフをまくし立てる部分があり、その言い方や表情などついて監督と時間をかけて相談していました。
その真剣な眼差しはこれぞプロフェッショナルという厳しさに満ちていました。
全員でのリハーサルのトリは増田さんの見せ場。ここは無茶無茶、難度の高い芝居が要求される場面。
増田さんも監督に質問を繰り返し、レベルを探ります。
そのシーンだけを見ればシリアスだけど、作品全体がコメディだけに、どこまで深刻な感じでやるべきなのか…? 逆に、どのくらい軽くすべきなのか…?本当に悩みは尽きません。
なんだかんだと時間はあっという間に過ぎ、気づけば夜は更けていました。
…こんな風にキャストやスタッフが真剣に取り組んだ成果がいよいよお披露目になります。
皆さんにはホント気楽に、心から楽しんでもらえたらと願っています。(緊張する…)
今夜23時6分から!お見逃しなく!
↓写真は1話ゲストの皆川猿時さんです。(素敵な笑顔!)
追伸
ホントはもっと裏話っぽく、リハーサルの失敗談や笑い話でも書こうと思ってたのに、想像以上に真面目な内容になってしまいました…(笑)。
マジでマジな場だったということでお許しください。次回は、撮影現場の裏側に潜入してみようかな!